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思議

Kindleというのがありまして、泉鏡花の全集が200円でダウンロードできます。
180編、全部、ある。
著作権切れのものをアマゾンで売ってる。
鏡花の透明な文体が好きなのですが、紙の本は読む気がしない。
これだとPCでもスマフォでも、読むことができる。
いい時代になったものだ。

ワタシは長い間、空を飛ぶように、この地上とはズレた感覚の中で生きてきた
ように思う。
小説は、小説であるがゆえに、あまり好きではないのだが、なぜか鏡花ものは
詩のようで心に染みる。
思議など通じない、おそろしい現代社会のなかで、どのように生きていくか。
思議にあらず、不思議ということを鏡花はただ書きたかったようで好ましい。
摩訶不思議というと、半分は仏法の世界のようで、不思議くらいがちょうどいい。

伊藤若冲展が東京都美術館で開催されております。
異様な混雑状況は、画家の人気もあるでしょうが、NHKと日経の強力な後押しにも
よるのでしょう。
この不思議な画家の私生活は、いろいろ、謎に包まれている。
そもそも、あの鮮烈さを動機づけたものは、なんなのか?
澤田瞳子はオール読物のなかで、妻の自死なんて話を創ってますが、京都の
人気絵師にオンナがらみの話がないわけがない。あるいはホモだったのかも
しれない。
晩年のやわらかい絵をみると、彼の精神史が浮き彫りになる。
まこと、思議にあらず。

靖国神社で夜桜能というのをやっております。
夜桜を観ながら、能を鑑賞するという、その筋のミーハーには人気があります。
ワタシも能ミーハーなので、テルテル坊主に願掛けして、申し込みました。
雨が降ったら中止で、厚生年金会館に移動。
ばほほほ、今年はなんと晴れ、あたりでした。
靖国なので自衛隊が警備してるのかと思ってましたが、機動隊もいなかった@@
爆弾でも仕掛けられてたらイヤなので、トイレにいかないでジッと我慢。

舞囃子 【融】        大坪喜美雄
狂言  【苞山伏】     野村万作
能    【鉄輪】      宝生和英・野村萬斎

演目・面子もいい感じ。

さて、舞台のはじまる前に、変なことがおこなわれる。
火入れ式といって、種火をもった男があらわれて、かがり火に着火する。
おい、靖国の火入れ式だから、まあ、右翼とはいわないが、この国は神の国だと
思ってる程度の人間が登場するのは、だいたい、わかる。
さて、アナウンスが入って、どっかの社長やら、代議士の名前が読み上げられる。
?猪瀬前東京都知事??
きゃー、お金がらみで、都知事をやめた猪瀬さん。
東京地検をあざわらうかのように、紋付はかまで、火入れ式に登場@@
靖国路線で、石原君に繋がっているのはわかるが、人間の生死を演じる
能の舞台に現れるのは100年早い。
思議は達者だが、それだけの人間だ。

次は猿之助、スーパー歌舞伎「ワンピース」で若者を歌舞伎界に取り込み、
いよいよ7月歌舞伎座凱旋であります。
松竹も猿之助人気を無視できなくなってきたようで、海老蔵とセット販売。

■昼の部 午前11時~
宇野信夫 作
通し狂言
一、柳影澤蛍火(やなぎかげさわのほたるび)
柳澤騒動
本所菊川町浪宅より
駒込六義園庭園まで

柳澤吉保   海老蔵
徳川綱吉   中車
護持院隆光  猿之助

二、流星(りゅうせい)
市川猿之助宙乗り相勤め申し候

流星     猿之助

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柳澤騒動も面白そうだが、やはり、「流星」
なぜ、「流星」なのか。
いや、ここでは、「流星」という言葉をもってくるしかない。
そこのところが、不思議、なの。

君は覚えているかい?
ぼくたちは、互いにロケットにのって、宇宙を飛んでいたね。
無限暗黒の宇宙で、瞬間的にすれちがって、その刹那に、ぼくたちは
セックスをして。
そして、すれちがった僕たちは、ああ、もう決してあうこともない。
僕は、あのときの借りだけは返そうと、それだけは。
猿之助が「流星」をヤルッて。

もっともっと書きたいけど、また、書いた言葉がうそのように思えて。

だから、もう、いくよ。



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by sniperfon | 2016-05-10 21:05 | Comments(2)